福岡の神出鬼没な間借りカレー店「直行直帰」の店主が
退屈な日々に少しの気付きと香り高い刺激をお届け🌶

【まとめ】20人分のビリヤニを仕込んでみて分かったこと

調理全般

どーも直行直帰の店主です。

私のプロフィールです。
適宜ご参照ください。

チェンナイティファンナンバルワン:Rayars Mess

ティファン(Tiffin)とはインド英語で朝食、間食の意味。
定番メニューはイドゥリ(豆と米粉の蒸しパン)、ポンガル(米と豆のおかゆ)、ドーサ(豆と米の発酵生地をクレープ状に焼いたもの)、ワダ(豆のペーストにスパパイスを混ぜて揚げたスナック)といったところだろうか。
このように書き出して見ると、インド人が豆をよく食べることが分かる。
肉に代わるタンパク質の摂取源とされている。

Rayars Messはチェンナイにおけるティファンの名店で、
知らなかったら100%スルーする路地裏での店構えにも関わらず連日大人気。
酷暑で食欲は失せがちだが、その名声に心は躍る。

この路地裏感。

朝8時過ぎでも店内は賑わっている。
日本じゃたいていの飲食店は開いてない時間だが、
インドでは人気のティファン店には早朝でも多くの地元民が集まる。
朝食に重きを置く国民性を感じた。

ここではイドゥリ、ポンガル、ワダをいただく。

ラトナカフェもそうだったがティファン屋のサンバルはなぜこんなにうまいのか。
明らかにミールスのそれとは作りが違う。
(主観で恐縮だが、ミールスよりティファンのサンバルの方がサラッとしていてスープに近い。)
チャトニもドロっとしたタイプとシャバシャバしたタイプの2種類があり、食べ比べも面白い。
イドゥリ、サンバルをおかわりし、朝食から腹パン。

厨房を見せて欲しいと頼んだら快諾してくれた。

めっちゃカメラ目線な店主。
ワダを揚げる鍋もクソでかい。

食後は店の外であま~いマドラスコーヒーをいただいてシメ。
ゲフッ。朝からよく食べた。

私が徘徊していたチェンナイのトリプルケーンというエリアでは、
観光客らしき人はほぼどころか全く見かけない。
日本人が珍しいのか、「どこから来たのか?」と聞かれることが多かった。
インド人になりきろうとヒゲをたくさんこしらえて渡印したが、彼らの目はごまかせない。
ネパール、中国、日本が彼らの考える薄い顔つきの代表格らしい。

日本人には必ず小林さんのインスタを見せて「これ俺!」とアピールするマノージ君

この旅で初のノンベジ:Nair mess

昼食はNair Messへ。
この旅初のノンベジ(肉あり)

Nair Messの店内は広く、清潔。

おそらく高級店の部類ながら店舗周辺は施しを求める人々もいたりと、
まさにカオスってやつ。

店内に通されるとミールスかビリヤニかを聞かれる。
ここではミールスを選択。
(そういえば店のビリヤニは食べなかったなぁ。)

ミールスの構成は、メインのマトンカレー(左上)にピックル、ポリヤル、ダール、以上。
この品数の少なさは意外だった。

日本のミールスの文脈では、サンバルがあり、ラッサムがあり、パパドがあり...
とカトリに多種多様なカレーが並ぶほどそれらしい感じになるが、
(“それ”も日本人が作り出した虚像に過ぎないのかもしれないが、、、)
インドのノンベジ店ではベジ店と比較してミールスの品数は総じて少ない印象がある。

Nair Messもそれらの例に漏れないが、物足りなさは全くない。
むしろメインのマトン一撃で確実に満足させる点において、渋さが光っている。
よく煮込まれて柔らかいマトンの滋味深さが五臓六腑に染み渡った。

よく見たら右のおじさんはカメラ目線。インド人は被写体になることを嫌がらない。

少しずつ体調が悪くなり始める、、、

帰り道、路上でクリケットに興じる子どもたち。

日中は30度台後半の猛暑に晒されるも、宿泊先のホテルにエアコンがない地獄に早くもギブアップ寸前だったのがこの頃。
食欲もなく、この日は夕食を取らず早めに休んだ。

仕事疲れを癒やしたい目的もあったので、無理して食べる気もなかったが、
振り返って考えるともったいなかったようにも思える。
しかしこのときお腹の調子も下り坂でそれどころではなかった...。

どうなるインド旅。

今回の旅の参考書籍はこちら↓
訪問した店は99%小林さんの書籍から。
これをcheckしておけば南インドで飲食店のハズレはない。

今日はこのへんで。
ピース。

10年以上続けてて大変お世話になったジムを卒業することになった。
感謝の気持ちをお伝えする意味でジムの会員様や先生にビリヤニを振る舞うことに。

今日はその事前準備〜当日提供 までの内容と仕込みや調理を経て得られた気づきを記事にしました。
こんな方に是非読んでいただきた記事です。

今日もいるかどうかも分からないターゲットに向けて記事を書いています。

20人分のビリヤニ作り

Embed from Getty Images

想定人数は20名分
いつも作る量の4〜5倍と言ったところか。
次回の間借りに向けて非常に重要な試行の機会だった。
(感謝の気持ちをお伝えするのがメインだけど、直行直帰のプレ間借り営業という私にとってひたすら有り難い場になった。)

20人ビリヤニ用の調理器具

いつも使ってるアルミ鍋では20人分のビリヤニを作れないので新たに鍋を購入。

以前の記事でも書いたようにインド料理は高火力で玉ねぎを炒めることが多いため、鍋底の厚さが4ミリ(最低3.5ミリ)あるのが条件になる。

これからの間借り営業やイベント等をにらんで汎用性がありそうなものを選んだ。

ビリヤニは大量調理と相性が良い

そもそもビリヤニ自体が大量調理を前提としている料理なので、間借り営業やイベント等にはもってこいのインド料理。
例えば玉ねぎをじっくり炒めたチキンマサラのようなものを間借り営業で出そうと思った場合、4人分を作るような感覚で20人分を作ると失敗するか非常に効率が悪くなるが、ビリヤニの場合4人分を作る場合でも20人分を作る場合でも調理工程がほとんど変わらない。

これは大きな利点。
今回は生肉から調理するカッチ式で20人分を仕込んだが、仕込みの時間自体は4人分でも20人分でもほとんど変わらなかった。

20人分のビリヤニを作って気づいたこと

仕込みの手間はほとんど変わらなかったが、大量調理でうまくいかないことも当然あった。
それらを順に挙げていきたい。

油はレシピの等倍ではない

この写真はマサラとにんにく・しょうがペーストを油で炒める工程の最中に撮ったもの。
見て分かる通り明らかに油の量が多い、というか余分。
インド料理において油は正義ですと散々言ってはきたものの、ことビリヤニにおいてこの余分な油はいただけない。
肉の部分が油でベチョベチョになる可能性がある。(実際そうなった。)

レシピの等倍量を計った上で油を投入したけれど、感覚的には等倍料の半分から3分の2程度で良かった。
これは貴重な経験、「大量調理 油の量は 倍じゃダメ」

肉の層、肉汁がかかった層、白米の層との盛り付けのバランス

この見るからに美味しくなさそうなビリヤニは、20人分ビリヤニ会当日の約15人目のサーブで私が味見をしてみた皿。
見た目の悪さは置いといて、ここでのポイントは盛り付けのバランスがすこぶる悪いということ。

ビリヤニは①肉 ②肉汁がかかった米 ③スパイス・ハーブの香りが付いた白米 の3つがバランス良く皿の中に同居していて欲しい料理だが、それまでの14名分で白米を多く盛りすぎた、ないしは肉に対して白米が少なかった結果、ほぼ①と②のみのビリヤニになってしまった。
おまけに前述の通り油が多くて肉もベチョベチョだった為、とても間借りで提供できるようなクオリティではなかった。

肉の量に対してベストな白米量を設定すること、更に盛り付けの際に設定した肉と白米のバランスを守ることが大事。

20人分の米が入る大きな鍋が出来れば2つ欲しい

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つまり20人分のビリヤニを炊く用の鍋とは別に、湯取りで米を茹でる用の鍋もあった方が望ましい。
家庭用の鍋でも1.3kgの米を茹でられないこともないが、米に対しての茹で湯が少なくなってしまうので、お湯に溶けたデンプン質が米に付着しベタついてしまう可能性がある。

私は今回に限ってはビリヤニ炊き用の鍋一つで乗り切った。

肉をマリネしておいた家庭用の鍋。2kgの手羽元となると肉だけで鍋がパンパンに。


① カッチ式の肉を家庭用の別鍋に入れてマリネしておく。
② ビリヤニ用の寸胴鍋に湯取りで米を茹で、大きめのザル(100均で購入可)に米をあげる。
③ ①の肉を②の寸胴鍋に素早く移す


③で肉を寸胴鍋に移したあともハーブ類を上から重ねるのでかなりバタバタする。
早くしないと米に火が通り過ぎてしまうのでかなりのスピード勝負になってくる。

正直あまりオススメ出来る方法ではないので、間借り先にある大きめの鍋を一つ拝借したいところ。

まとめ

以上の内容をまとめると以下の通りとなる。

まとめ
  • 20名分のビリヤニを作る前提条件
    • 大量調理とビリヤニは相性が良い
    • 容量を満たす鍋が必要(直行直帰で使った鍋はコチラ
    • ビリヤニ炊き用の鍋と湯取り用の鍋、大きな鍋が2つあるのが望ましい
  • 20名分ビリヤニ調理の気付き
    • 油はレシピの等倍入れると多すぎる。
      • (感覚的にはレシピの等倍量の6割前後でOK)
    • 肉と肉汁が付いた米と白米の盛り付けバランスを意識する
      • そうしないと最後の方が肉だらけ、ないしは白米だらけのビリヤニになる可能性

間借り営業までに試行機会が欲しいところだが果たして...。



ちなみに記事の本質からは逸れるので書かなかったがビリヤニの味の反応はまずまずだった。

なんとか米も立たせることに成功

今日はこのへんで。
ではまた!



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この記事を書いた人

福岡の神出鬼没完全不定期間借りカレー店「直行直帰」の店主
かつてカップラーメンを料理と呼んでいた男が綴る日々のカレー・インド料理研究の記録、間借り出店情報、インドにまつわることを吐き出します。
実態はイエスマンになれない社会不適合なサラリーマン。

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