どーも!直行直帰の店主です!
趣味でカレー作りをしている方が、趣味の枠を少し越えて間借りカレーをやるとき、
ないしは大人数にカレーを振る舞うとき、一つの壁があります。
それは『大量調理の壁』です。
今まで4人前を作って美味しくできていたのに、10人以上分を作った途端、
あれ、なんか違う…
こんな経験をしている方は少なくないハズ。そんな方のための記事です、
なぜ普段通りに作れない?
かくいう私もその壁にブチ当たっている途中でして、なんとか誤魔化しながらやっているものの何か良い策がないかのーと思っているところでした。
大量調理で普段の味が出せない原因は大きく2つあると思っていまして、
それは水分と加熱です。
原因① 水分
大量調理の際は水分を控えめに
100人分のカレーを作るときの材料は、基本的に4人分の25倍で良いと言われています。
ところがどっこい、水分だけはちょっと少なめが良い。
なんて言われたりします。
おそらくこれは玉ねぎや肉から、水分が出てくるからではないでしょうか?
(もちろん加熱時間にもよりますが)
どちらにしろ25倍のレシピにこだわり過ぎず、お鍋の中の状態を見ながら少しづつ水分を足していくのが良さそうです。
が、これはあくまでその場で食べることを前提とした話。
間借りやイベントの場合は、荷物を減らす効果も
例えば間借りカレーのメニューに汁気の多いチキンコランブを選び、
家である程度の仕込みを済ませ、
車でお店まで持っていくとします。
汁気の多いカレーですから、運転中お鍋がチャップンチャップンと波打ち、
おそらく運転どころではありません。
オペレーションを考えたとき、水分はなるべくお客さんに提供する直前に加えた方がベターです。
こうすれば荷物の体積も減ります。
今度カレー屋に行ったとき、厨房の中を注意して覗いてみて下さい。
その日提供するカレー全てが入るような大鍋から、
カレーをよそってお客さんに提供するお店はあまりありません。
すでに出来たカレーを1人〜2人分用の小さい鍋に入れ、
温め直して提供しているお店の方が多いです。
こうすれば作ったカレーも何日かは保存が効きますし、
その日提供する全てのカレーをずっと温めなくて済みます。
ちょっとドライなカレーを作り、冷蔵庫で保管しておいて、
オーダー分を小鍋に移して適量の水分を加えて温め直し、提供しているのです。
出ました。
ここで第二のキーワードが「加熱」です。
原因② 加熱
カレーが溶けたカレー屋さん
とあるカレー屋さんに実際に聞いた話です。
あるイベントで数十人分のカレーを作り、
一つの大鍋に入れて持っていったそう。
常温のカレーを提供する訳にはいかないので、
大鍋を加熱し続けました。
すると一つの異変に気づきます。
あれ、ない…?
そう、肉も野菜も長時間加熱し続けたことで溶けてなくなってしまい、
美味しいスパイススープが出来上がってしまったのです!
溶けるまではないにしても、
具材のベストな食感からは程遠いでしょう。
スパイスの香りも飛ぶ
長時間加熱することのデメリット2つ目がコレです。
スパイスが入った状態で長時間加熱してしまったら、
香りの角が取れてしまい、まろやかで残念なカレーが出来てしまいます。
煮込み時間は最低限に抑えて、出来たて感をキープしたいところです。
だがこれは美味しいカレーを作る方法ではない
今までのは何だったんだって話になるんですが、
これは紛うことなき現実です。
インド人ってこんな作り方しないらしいんですよね…。
800人分のラッサムを仕込んで、それをハイエースで運ぶスリマンガラムのシェフ、マハさん。
今まで紹介したような方法は手間をかけずカレーを提供する方法であって、
美味しいカレーを提供する方法とイコールじゃないんですよね。
まとめ
美味しいカレーを作る方向に労力を全て注いだら、
当然オペレーションが大変です。
しかし最高のオペレーションが最高の味につながらないことも事実。
その間のどこで線を引くかは、作り手に委ねられています。
答えは出ませんがね。
ではまたっ!
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