どーも直行直帰の店主です。
私は食べるより作るほうが好きなので店舗開拓はあまりしないんですが、今回はどうしても行っておかないといけないお店がありました。
今回やっと行けたので今日はそのお話を。
キッカケは一通のLINE
知人からある日こんなLINEが来ました。
衝撃の700円ビリヤニ…。
ビリヤニの提供価格は普通1,000円を超えます。
東京の某有名店なら2,000円超えます。
なぜか。
ビリヤニはめちゃくちゃ手間がかかります。
作り方にもよりますがカレーを作って、米を重ねて、スパイス・ハーブを散らして長時間蒸し上げる通常の作り方だと普通のカレーより調理時間も長めです。
スパイス・ハーブ類や食材も多く使うので材料費もかかります。
そんなビリヤニが700円だと!?
正直「この店は商売をする気があるのだろうか」と疑問でした。
しかし私が一番興味を惹かれたのはそこではありません。
某有名店との違いが分からなかった
白抜きで隠してますが、ここには福岡でビリヤニと言えばの某有名店の名前が入ります。
しかもこのお店、福岡市東区にあって某有名店との距離も車で10分程度と近く、さらにパキスタン系のお店とあったら否が応でもあのお店を意識せざるを得ません。
ちなみのそのお店の絶品チキンビリヤニは700円の倍近くします。
私の中ではビリヤニの価格の基準はこのお店だったので700円は本当に衝撃的な値段です。
ビリヤニでなくてもスパイスカレー一皿でも700円は安い…。
いやどこからどう考えても安い…。
しかも味の違いが分からないだと!?
LINEをくれた知人は高頻度でスパイス摂取をしている訳ではないので、経験値の低さから味の区別が付かないのかな?とも正直考えました。
いやでもこれは確かめる必要がある…。
700円という低価格が恐くて興味はあるけど訪店出来ない方もいるハズ…。
私の中のジャーナリズム精神がフツフツと湧き上がるのでした。
店舗情報
場所は福岡インターチェンジから車で10分程度の場所で物流会社の倉庫が多く、乗用車よりトラックの方が多く走ってるようなエリアです。
店に駐車場はなく、こういったところからもあんまり商売に力を入れていない説が現実味を帯びてきます。
そしてなんといっても店の名前。
ユスフザイと来た。
マララ・ユスフザイ
Malala Yousafzai
イスラム武装勢力に銃撃を受けながらも女性の権利を主張し続け、2014年にノーベル平和賞を受賞した人権運動家です。
彼女の出身地はパキスタンのミンゴラという都市で、軽く調べてみたけど取り立てて料理が有名というわけでもないみたい。
なぜハラール料理店なのにユスフザイなのか…謎は深まるばかりです。
いざ訪店
店内に入ると真正面にドーンと冷蔵庫が置いてあって、そこに今日のメニューが掲示されています。
ありました!
700円ビリヤニ!
店のインスタグラムではメニューのアナウンスがあったりなかったりなので、いつもビリヤニを出しているとは限りません。
実は以前お店に電話して「🐘今日はビリヤニを出していますか?」と電話で問い合わせたことがあります。
ちょっと聞いてみます!また電話します!
聞いてみますて笑
じゃああなたは誰で今店じゃなかったらどこにいるのよ!?
謎はますます深まったのでした。
折返しもないだろうと思っていたし時間も遅かったので別箇所で昼食を取ったあとになんと電話が。
ビリヤニ出せます!
いや出せるんかーい。
その日は您好!朋友で中華を食ったあとで後日あらためることにしたのでした。
話を戻しましょう。
お店は細長く横に広い作りになっています。
店の入口から入ってすぐ真正面にどーんと冷蔵庫、左に仕切りがあって厨房。
パキスタンのお店だけあって見るからにイスラム系の方が調理されていました。
上の画像のカーテンの向こうがイートインスペースになっていて、そこにもバスマティライスなんかが販売されてるみたいです。
私が店に着いた土曜日の14時頃のお客さんはムスリムのおっちゃんが一人で、恐い顔して食事をしていました。
テイクアウトはまだしも日本人が店内で食事をするのはなかなか勇気が要るかもしれません。
そして噂の700円ビリヤニGETです!
ライタをジップロックに入れるスキルが斬新です。
テイクアウトして晩飯でいただきます!
お会計にキャッシュレス決済も使えて意外と便利です。
私が確認できた限りではメルペイとau PAYは使えるみたいでした。
いざ実食
レンジであたためた後、器に盛り直していただきます。
美味しそうな器で食べることで印象も変わります。
写真じゃ分かりづらいですが量がスゴく多い。
女性一人じゃキツいかもしれないぐらいの量です。
シェアするぐらいでちょうどいいかも。
見た目は全く問題ありません。
油でギトギトした感じもなければ水分でベチャッとしている感じもない。
テイクアウトしてから時間が経っている&レンジでチンしてるんでその影響も多少はあるかもしれません。
まずは一口いただきまーす!
いや普通にウメーっっ!
結論:700円ビリヤニは普通に美味かった…。
コレが嘘偽りない私の所感です。
一口目食べたときはちょっと塩が少ないかな―とも思いましたが、食べ進めるにつれてチキンやスパイスの味や香りが口内を満たしてきてちょうといい塩梅になって来るんですねーコレが。
大きめの骨付きチキンが3つぐらい入っていましたが肉が柔らかく骨からの身離れもスルッと取れるし、火加減も絶妙です。
スパイス使いは割とシンプルですがビシッと香りも効いていますし、食べやすい部類のビリヤニです。
奥様にも食べてもらいましたが普通に美味しそうに食べていました。
700円と思って侮るなかれです。
ユスフザイのビリヤニは美味しかった!
ただここで一つ予想外の事態が発生しました。
お気づきの方もいると思いますが、最初にあのLINEが来たときは正直こう思ってました。
700円って絶対テキトーに作ってんだろ
某店の方がウマいに決まってる!
食べてみた結果、完全に予想外のクオリティを出してきた。
こうなると別の見方が出てきます。
1,000円を超えるビリヤニは高いのか!?
このクオリティで700円だと、1,000円を超えるビリヤニが高いと感じる人が出てくるのは必然です。
しかし私はこれに関して明確に否定したい。
なぜなら、ビリヤニの味に値段が付いているわけではないから。
マーケティングの観点から見ても値段の付け方は様々です。
・原価から適正価格を計算する。
・競合他店の価格を指標にする。
・欲しい粗利から逆算する。 などなど
ヴィンテージもののワインは数百万円するものもありますが、価値はその希少性に付いており味には付いていません。
だからスーパーの千円そこらのワインの味が、人によっては数百万円のワインを凌駕する場合も充分考えられます。
こう考えると、人によっては700円ビリヤニも1,000円超のビリヤニもクオリティに大差がないとしてもそれと価格の問題は別だと言えるのではないでしょうか。
(価値の感じ方は人それぞれですから何と言えませんが。)
一つ大事なことを言い忘れていましたがユスフザイのビリヤニはたしかに美味しいですが、某店のビリヤニとは見た目から味から全然違います。
決して劣っているという意味ではありません。
好みは人それぞれだし、例え700円ビリヤニが福岡カレー界隈で超絶人気になったとしても某店が淘汰されることは決してないでしょう。
こんなこと言ってたらマルハバのビリヤニ食いたくなってきたな…。
(あ、言っちゃった…。)
ってことでまとめ行きまーす。
ちょっと辺鄙なところにありますが、お近くにお立ち寄りの際はぜひ行ってみてください。
しかしいつもビリヤニを出してるわけではないようなのでメニューの確認をお忘れなく。
(電話したら私のように店主ではない謎の男が出る場合もあります!)
ではまたっ!
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