どうも。直行直帰の店主です。
例えば私がブログの読者様にこんな質問をされたとします。
直行直帰は結局何屋さんですか?
すると私は迷いなくこう答えるでしょう。
直行直帰とは私が営む間借りカレー店です!
ただ、以前からどうもこの「カレー店」という言葉に違和感を覚えています。
今日はそんなお話です。
「カレー」という単語に感じる違和感
なぜ違和感を感じているのか。
答えは単純。
私がカレーに対して抱いているイメージはコレ⇓だから。
日本人がこの絵を見たら100人中120人が、
これはカレーです!
と答えるだろう。
だが私が作っている料理はコレとは違う。
(食べていただいた方がどう思うかは別として、少なくとも私はそう思いたい。)
日本人の多くがカレーと言って思い浮かべるのが、
上記の絵のようないわゆる日本的なカレーライスであり、
私が作りたいインド料理としてのカレーとは似て非なるものである。
しかし世界的に見れば、カレーライスもインド料理もカレーと呼ばれている。
ひと括りにされちゃっている。
その原因はそもそもどこにあるのだろうか?
そもそもカレーとは何なのか?
カレーという言葉の起源
カレーという言葉の起源には諸説あるが、スパイスで味付けした野菜や肉の炒めものを指す南インドのカリル(karil)またはカリ(kari)という言葉が元になっているらしい。
それが転じて英語の「curry」となり、イギリス人(ポルトガル人、オランダ人とする説もあり)はインド料理をひと括りにして便宜的にカレーと呼ぶようになった。
つまりインド人にとってはカレーは完全に外来語である。
例えばあなたがインドでジャガイモを食っているインド人にこう訪ねたとする。
それは何というカレーですか?
するとインド人はおそらくこう答えるだろう。
私が食べているのはアル・ゴビですっ!
インド人にとってはそれぞれに名前がある料理であり、
それをひと括りにカレーと言ってしまうことは少々乱暴な気もする。
日本におけるカレー
日本にカレーという言葉が伝わったのは江戸時代末期。
明治維新以降、欧米諸国の文化を吸収していく中で、カレーが伝わった。
もちろん当時はインドと直接的な関係はないので、インド料理としてのカレーは伝わるはずはない。
そこから約100年、食品メーカー各社が日本人が好むカレーを追求する中で日本のカレーライスは形成されていき、1954年にエスビー食品が日本初の固形カレールウを発売。
1968年には日本初のレトルトカレーが誕生。
その後1982年にはカレーライスが学校給食に登場し、1月22日が「カレーの日」に制定される・・・。
現代日本でもカレーライスは国民食と言われている。
食品表示を見れば分かるが、カレールウは油とスパイスと小麦粉と他諸々をギュッとまとめて固形にしたものだ。
これを見れば日本的なカレーが何たるかは理解出来る。
スパイス以外のうま味調味料や着色料、香料が入っている。
日本のカレーとインドのカレーの違い
原材料を見ればあえて言われるまでもないと思うが、
自分なりに感じている最大の違い、日本のカレーライス最大の特徴を挙げてみたい。
小麦粉
日本のカレーライスはとろみ付けに小麦粉を使っている。
インドでカレーにとろみをつけるときは、煮詰めて水分量を減らすか、ココナッツミルクを加えるか…。(他にもあるかもしれんが、ぱっと思いつくのはこれくらい。)
よくインドのカレーをサラサラしていると言ったりするが、その一番の理由は日本の固形カレールウに使われている小麦粉にある。
野菜やフルーツのペースト
先日1才の娘に自作カレーを作って食べさせた。
娘の反応を見る限りすこぶる好評だったが、
その主たる勝因はすりおろして入れた人参とりんごだったと思っている。
事実、人参りんごペーストを加えた瞬間、味わいが一気にまろやかで日本的なカレーになった。
食品メーカー各社が日本人が好むカレーを模索する中で辿り着いた偉大な知恵であり、
1才の娘すら虜にするぐらいだから、相当なポテンシャルがある。
分かっていただきたいのは、インドカレーがホンモノで素晴らしくて、日本のカレーはフェイクだ!とかそういうことが言いたいわけではない。
日本のカレーライスと、インド料理としてのカレーは別物だし、どちらにも違った良さがある。
ここまでのまとめ
長くなりそうなので、一旦ここまでをまとめておきたい。
前置きが長くなってしまったが、次回の記事ではこれらのことを踏まえた上でカレーという言葉との自分なりの付き合い方を考えてみたいと思う。
今日はこのへんで。
コメント