どーも直行直帰の店主です。
今週末にインドのパンであるロティ(Roti)を作ります。
インド北部のパン類のレパートリーは本当に豊富です。
もともとニューデリー周辺はインドの穀倉地帯であることから小麦粉栽培が盛ん。
そのため米よりも小麦粉なのです。
インドで粉物と言えばまずナン(Naan)を思い浮かべる方も多いと思いますが、それだけじゃありません。
今回はインド北部のパン食(特にロティ)に焦点を当て、最後にどうやったら上手く焼けるのかを考えていきます。
ロティ(Roti)
インドのパンと言えばこれ。
一丁目一番地と言ってもいいでしょう。
デリーのレストランのメニュー表でもナンより上に載ってる率が高いです。
(そもそもナンは載ってなかったりする)
ロティと言うのはざっくりとした言い方で、インドではパン全体を指す言葉でもあります。
インドの家庭でも作られ、レシピは各家庭でも様々。
写真はTandoori rotiと言われるもので、文字通りタンドール窯で焼いたロティです。
(この記事内ではロティとはTandoori rotiを指すものとします。)
ナン(Naan)とは何が違うのか
写真で見るとナンもロティも同じように見えますが、材料に違いがあります。
ナンはマイダ粉(インドの中力粉)を使うのに対して、ロティは全粒粉を使います。
ナンはドライイーストを使って発行させますが、ロティはベーキングパウダーや重曹を使いドライイーストは使いません。
他にも卵を使うナンに対してロティは使わないとか細かいところは色々とありますが、使っている材料から見ても分かる通りナンの方が風味がより豊かで華やかに仕上がります。
ロティはインドでは家庭でも食べられることから、ナンに比べると質素な印象です。
反対にナンはインドの家庭ではあまり作られないそう。
より家庭に根付いたパン類はナンよりロティだと言えます。
インドのナンは日本のようなしゃもじ形ではなくて丸形らしいよ!
ロティの種類
Roomali roti
Roomaliがハンカチという意味になります。
名前の通りハンカチのように折りたたんだ状態で提供されるロティです。
全粒粉とインドの中力粉であるマイダ粉を合わせて作られることが多いようです。
Mirchi roti
赤唐辛子や青唐辛子を練り込んだインドならではのロティです。
パンが辛い…。
日本人にはちょっと想像しづらいですね。
Missi roti
べサンと呼ばれるひよこ豆の粉末から作るロティです。
番外編(ロティ以外もあるよ)
インド北部のパンは何もロティだけじゃありません。
そのほんの一旦をご紹介します。
パラタ(Paratha)
インド南部ではパロッタと呼ばれます。
ギーを記事に塗りながら折りたたんでいくことで層状の生地になります。
タンドール窯ではなく油をひいた鉄板で揚げるように焼き上げます。
チャパティ(Chapati)
シンプルなレシピであれば全粒粉と塩と水ぐらいしか使わない、インドで一番質素なパンです。
おいしく焼くポイントは生地内部に出来た気泡をふくらませること。
うまく行けばこれだけ膨らみます。
直火で炙って焼き目をつけるのも特徴。
失敗すると軽い火事が起こりますのでご家庭でやる際は十分ご注意を。
クルチャ(kulcha)
パンジャーブ州アムリトサルが本場のピザのようなパン。
ロティが全粒粉で作るのに対し、クルチャはマイダ粉(インドの中力粉)で作られます。
パクチーの葉やスパイスを練り込んだり、チーズを練り込んだチーズクルチャといった派生クルチャも多いです。
ロティの焼き方
材料
さて本題に戻ってロティの焼き方について考えていきましょう。
詳しいレシピは後々公開するとして、作る上で注意したいポイントに触れておきます。
私が今まで取り組んできたパロッタはベーキングパウダーなどのふくらし粉を使いませんでしたが、ロティに関しては使います。
それもベーキングパウダーとベーキングソーダ(重曹)の両刀使いのレシピを多く見かけました。
炭酸ガスで生地をふくらませるのが目的なのにわざわざ両方を使う意味があるのか?とも思いますが、どうやら両者では膨らみ方が違うらしいのです。
横に膨らむ特徴がある重曹に対し、縦にふくらむのがベーキングパウダー。
重曹は多く使いすぎると焼き色が濃くなったり苦味が出たりするので注意が必要です。
両方使う場合はベーキングパウダー4に対し重曹1ぐらいの割合でOK。
タンドール窯なしで焼けるのか?
ここが一番気になるところですよね。
結論から言うと私は可能だと思っています。
タンドール窯は生地に対してじんわり均等に熱を加えられるところが一番の利点です。
実際タンドール窯で焼いたのとタワ(チャパティ焼き用の縁無しフライパン)やフライパンで焼いたのでは焼色に大きく違いが出ます。
両者を見れば一目瞭然ですよね。
タンドールで焼いたロティはじんわり熱が入っているのでうす茶色く焼き色が付いていますが、タワをひっくり返し直火で炙ったロティは焦げのような斑点付きです。
明らかにタンドール窯で焼いたほうが美味しそうです。
でも当然家にタンドール窯などない。
では家にあるものでタンドール窯と同じ役割を果たしそうなモノを使えばいいのでは?というのが私の考えです。
勘の良い方はすでにお気づきかと思います。
「オーブン」もしくは「魚焼き用のグリル」
おそらくこの二択です。
油をしいていないフライパンで裏面を焼いて、表面に気泡が出来て膨らんだらオーブンもしくは魚焼きグリルに移して焼き上げると。
少々面倒くさいですがタンドール窯のような焼き色に持っていくにはこれしかないと思われます。
両方使ってみて、いい感じに焼けた方を正式な方法として採用します。
どちらのやり方が採用された場合でも設備と提供時間の関係上、間借り営業じゃ出せないでしょう。
あくまで家庭で楽しむ用です。
タンドール窯は自作できるらしい
植木鉢とペール缶を使ってDIYも可能みたいなのですが、私はやりません。
超絶不器用だから(笑)
昔っからこういうの苦手なんですよね。
上手く行かずにあ゙あ゙あ゙あ゙〜ッ!となっちゃうタイプです。
まとめ
インドには沢山の種類のパンがあることが分かっていただけたと思います。
さあ、次回は実践編です。
これらの事前予習を踏まえて実際にロティを焼いてみます。
あ、そうそう。
一緒に食べる北インド式のカレーもすでに考えてるんですがそれは追々。
今回はムスリム式です。
どのような結果になるか乞うご期待。
調理実践編はコチラ
ではまた!
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コメント
南インドに住んでいた時に、ときどきアッキーロティというのを食べました。米粉のロティだそうです。やはり、北は小麦、南は米なのでしょうか。