どうも直行直帰の店主です。
今日はちょっと目先を変えたテーマにしてみます。
今日はこんなことを考えている方のための記事です。
インドは10年後には日本を抜いて世界第三位の経済大国になるみたいだね!
今のうちから株を買ったりしてインドに投資しておけば、
10年後にお金持ちになれるんじゃないの?
コロナ禍前の記事ではありますが日経新聞にもこんな記事が出ていました。
記事によれば2029年時点でインドはGDP(国内総生産)で日本を追い越し、世界第三位の経済大国になるとの予測です。
人口だけを切り取ってみれば2027年には世界一の中国を追い抜くとされていますし、人口の約半数が25才以下と生産年齢人口も多いのが特徴です。
一人っ子政策の影響でこれから少子高齢化に直面する中国と違い、国の成長に寄与する働き手の人口が多いので、コロナ禍の真っ只中とは言え長期的な目線に立てばこれからの経済は発展していくでしょう。
と、ここまでが前置きです。
では本題に入ってあらためて今日の問いです。
Q. インドへの投資はアリかナシか?
先に結論から言います。
ナシです。
理由は大きく分けて以下の4つです。
① 高い経済成長率と株価の値上がりはイコールではない
今回は世界一の経済大国でもあり最も進んだ株式市場を持つ米国🇺🇸との比較で見ていきます。
上の図はインドの経済成長率と世界一のGDPを誇る米国の経済成長率を表したチャートです。
インドが赤線、米国が青線です。
これだけを見ても1980年代以降ほぼ全ての年でインドが米国の経済成長率を上回っていることが分かります。
じゃあ絶対インドの株価もアメリカより高いんじゃないの!?
期待したくなるのも分かりますが残念なお知らせがあります。
下の図を御覧ください。
これはインドと米国の代表的な株価指数の上昇率を比較したものになります。
今度はインドが青線、米国が赤線です。
(正確に言えばインドは指数に連動したETFの上昇率ですが、分かりやすく説明するために株価指数とします。)
株価指数って?
ザックリ言えばその国を代表する企業の株価の平均値のことです!
インドの株価指数はMSCIインディアインデックス指数。
アメリカの株価指数はS&P500指数を採用しています。
条件を同一にするため通貨はドルベースでの比較になります。
2010年からの比較にはなりますが、株価指数(国を代表する企業の株価の平均値)の上昇率を比較した場合、株価の上昇率では米国がインドを上回っていることが分かると思います。
経済成長率ではインドの圧勝だったにも関わらずです。
② 投資商品の手数料が高い
仮にあなたがインドに投資しようとする場合、一番現実的な方法が上記の株価指数に連動した投資成績を目指すETFや投資信託などを購入する方法です。
(ETFも投資信託も株の詰め合わせパックのようなものだと思ってください。)
各企業の個別銘柄を選定する必要がないため、その国の株をまるごと全部買うようなイメージです。
国全体の成長が信じられるのなら、購入する価値があると言えます。
上述の指数に連動するETFと経費率は以下の通りです。
株価指数 | ETF | 経費率 |
---|---|---|
MSCI インディア・インデックス | iシェアーズ MSCI インディア・インデックス ETF(I98) | 0.99% |
S&P 500 | iシェアーズ・コア S&P 500 ETF(IVV) | 0.03% |
その差は0.96%差です。
なーんだ!1%も変わんないじゃん!
経費率1%の差を軽く見てはいけません!
下の表を御覧ください!
(例)毎年価格が5%値上がりするETFに毎月3万円で35年間積立投資した場合の経費率
経費率 | 0.03% | 0.10% | 0.50% | 1.00% |
経費 (支払額) | 221,108円 | 730,771円 | 3,482,048円 | 6,565,683円 |
表は毎月3万円ずつ投資をしていった場合、35年経過時に経費率の差によってどれだけ信託報酬額(経費/手数料)に差が出るかを表した表になります。
たった1%弱の経費率の差でも、複利が効くことによって35年経過したときには600万円も差がついていることが分かると思います。
インドに投資するETFはSENSEXに連動しているiシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディアETF(ルピーベース)もありますが、経費率は0.64%となっており0.03%の経費率と比較するとそれでも約400万円の差がつきます。
③ 経済指標への連動率が低い
下の図を御覧ください。
これはそれぞれの株価指数の値動きに対して、ETFの値動きがどれぐらい指数に連動したかを表す表になります。
上のiシェアーズ・コア S&P 500 ETFの連動率を見てください。
10年で0.05%しかブレていません。
言い換えればほぼ株価指数通りに値上がりしているということになります。
反対に下の図を御覧ください。
10年で約1.3%も連動率が下振れしていることが分かります。
言い換えると株価指数が10年平均で4.46%上昇していても、実際のETFは平均で3.19%しか上昇していないことになります。
株価指数に連動していないとなると前提条件が崩れてしまうため、投資の計画が立てづらくなってしまいます。
ここまで連動率が下振れする一番の大きな要因は前述の手数料の差です。
手数料分、どうしても株価指数から下振れしてしまいます。
こういった観点からも安い手数料のものを選ぶことがいかに重要かが分かっていただけると思います。
④ 賄賂が横行するお国柄
最後の4つめがインド特有の事情によるものです。
インドは汚職や賄賂が絶えないことで知られています。
CNNの2019年12月の記事によれば、過去1年の間に賄賂を支払った経験がある国民は少なくとも2人に1人の割合になるそうです。
長期で投資を行う上で必ず確認しておきたい項目の一つに法整備があります。
株主の権利が保護され、不正な取引で利益が一部の組織や人間に利益が渡ることがないよう法律を整備すること。
企業が全世界の投資家に対し適切な情報開示を行うこと等、投資環境の整備は見落としがちですが株主保護の観点から見ても重要な項目です。
ここで話をインドに戻しましょう。
役人が国民に賄賂を要求する国に安心して投資できますか?
モディ首相のデジタル化政策でインドも汚職や不正が減ってきているとは言え、私達の国がそうであるように役人の体質はそうカンタンに変わりません。
せっかくインドに投資したとしても、そのお金が不正によって一部の人間の懐を暖めているだけだとしたら…。
こう考えると私はインドへの投資を躊躇します。
まとめ
いかがだったでしょうか。
インドへの投資はアメリカや全世界株型の投資商品と比べるとまだまだ見劣りするのが現状です。
しかし今回の記事は今までがそうであったという事実を述べているだけで、これから先はどうなるか全く分かりません。
世界の覇者アメリカ🇺🇸が凋落し、インド株が爆上がりしているかもしれません。
先がどうなるか分からないところも投資妙味の一ですが、投資はあくまで自己責任でお願いいたしますm(__)m
ではまた!
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