どーも直行直帰の店主です。
私のプロフィールです。
適宜ご参照ください。
全9話に及んだインド編も今日で終了。(帰国後1年以上経過していることはさておいて…)
マドゥライで訪問した残りの店の所感をダーっと述べつつ締めたい。
2024年は3月〜6月にかけてイベント出店5回、間借り営業1回とそれなりに活動。ブログは綴らないがカレーインド料理は作る。そんな日々を送ってILL。
Hotel Gowri Gangga-Pure Veg Restaurantのレモンライス
マドゥライにいる間、Sree Sabareesにはよく通った。滞在最終日になんとなく他店のノンベジも食べてみたくなり、フラっと立ち寄ったのがSree Sabareesから歩いて1分ほどの距離に位置するHotel Gowri Gangga
ここはどうやらティファンが有名らしい。
ポンニのレモンライスにワダとサンバル。
レモンライスが南インドでどのような組み合わせで食べられているか疑問だったが、ティファン(朝食)で食べることが多いらしいというのが分かった。私が見聞きした限りではミールスのライスをレモンライスに変えて…みたいなことはなく、あくまで軽食の部類に入ると思われる。タミルでは夕食で米を食べるとしたらビリヤニが多いからやはり朝食が中心か。
お味の方は朝食らしくさっぱりとした味わい。レモンの果汁がバシャバシャにかかっていて酸味が強い、とかもない。黄色がレモンを想起させるが、ターメリックによる着色である。
朝から米とサンバルとワダでやや腹パン。Sree Sabareesで激甘チャイをすすり、朝の涼しい内に一旦ホテルに戻る。
Madurai Bun Parotta Kadai
Bun Parottaってのはこれまでの記事で紹介した薄く引き伸ばした層状のパロッタと比べて生地に厚みがあるのが特徴
↑のParottaと比較して、↓のBun Parottaは生地に厚みがあるのが分かる。
真ん中が凹んだ鉄板を使用して、油が中央に集め、揚げ焼きのように火を通す作り方。
これにより、とてもクリスピーな食感になる。
一緒にハーフボイル(目玉焼き)を頼みたいところだったが、何回言ってももオーダー通らず退散。(仕方のないことだが、このジャンク感溢れる晩飯にビールが飲めないのは痛い。)この店はバナナリーフも自分で片付けるシステムで、マドゥライの中心部から離れたロケーションにも関わらず人気ぶりが伺える。
帰りにUber🛺で帰ろうとするも、アプリに表示された値段では帰れないと言う。インドではマジでこれが多い。アプリの値段で目的地まで言ってくれるリキシャー運転士はほぼおらんと思ったほうがいい。日本人だから足元を見られているのか。
他にも発注キャンセルなどは当たり前。そんなこんなで帰りの足を確保するのに一時間程度かかってしまう。
Chetty Nadu Mess
ミーナクシ・アンマン寺院 のド近くに立地するインド好き界隈でも有名なお店、Chetty Nadu Mess。
店休日が多く、インド滞在最終日にやっとお店がオープンし、いただくことができた。
ちなみにチェティナードと店名についてはいるが、これがチェティナード料理ど真ん中かと言われればそうでもない気がする。
いや、そもそもチェティナード料理のど真ん中がよく分からない。
広義のチェティナード料理は、18‐19世紀にかけてチェティナード地方の商人たちが異国との取引で買い付けたスパイスをふんだんに使ったリッチな料理…として解釈されている。じゃあその伝統がどこに受け継がれているか?というはっきりした答えを私は知らない。チェティナード地方でもモノホンのチェティナード料理が食べられるわけではないという話も聞く。
嗚呼チェティナード料理とはなんたるや。カレー界隈でもチェティナードチキンカレーとして提供されている皿をよく見るし、私もその一人ではあるが、自信を持って”これがチェティナード料理だ!”とはなかなか言いにくいものである。話が逸れているのでこのぐらいにしておく。
この店の特徴はオーダー方法にある。まず調理前の食材をテーブルに持ってきて、それを客に選ばせる。大きく分けて魚と肉があり、どの部位かとかも説明してくれる。ここではフォトジェニックな魚をチョイス。
丸っと揚がった魚登場。
これをフィッシュやらチキンのグレイビーと一緒にいただく。
余談だがタミルではフィッシュグレイビー(魚の身が入っていないグレイビーのみ)とフィッシュフライが同時に出てくることがある。(肉も然りでチキンフライとチキングレイビーが一緒に提供されたりとか)日本人的な感覚では魚の身もグレイビーに入れればいいじゃないと思うが、どうやら違うっぽい。
ここから先は憶測だが、可食部はフライにして骨や頭や尻尾などの不可食部を出汁の材料としてグレイビーに使っているのではないだろうか。こうすることで食材に無駄が出なくなる。
タミルの魚料理の食べ合わせを調べる過程で、フィッシュグレイビーとフィッシュフライが同時に提供されているのを何度も目にして、なんでそれぞれ食べているんだろうと疑問だったが、そもそもグレイビーの中に必ずしも肉が入っているということ自体、日本人の勘違いなのかもしれない。
ランチ終わりにファルーダをいただく。見よこのケミカルな配色。
南インドは激甘天国でもある。
インド旅総括
インド旅でのお店の紹介はこれまでにして、ここからは旅の総括として3つの気づきを共有したい。これからインドに行こうとしている方へのアドバイスとなれば幸甚である。
①酷暑期は避けるべし
5月‐6月は特に避けたほうが良い。私がチェンナイにいた5月下旬のある日、チェンナイの気温は40度を突破。さすがに日中は外を出歩けなかった。冷房嫌いで真夏の日本でもクーラーを付けずに在宅勤務をしているぐらいで、暑さにはめっぽう強い自負があったが無理だった。あんまり暑いと食欲も湧いてこないし、酷暑期は外すのが無難。ベストシーズンは11月から2月ぐらいまでで、25度前後で割と過ごしやすい。日本に比べると乾燥しているので、快適だと思われる。
②ピンからキリまで食べ歩くべし
私の場合、小林さんの書籍を頼って食べ歩いたが、もう少し街で見つけた気になる店にフラッと入るみたいなのがあっても良かった。いや、小林さんの書籍は最高なのだが、あまりに良い店ばかり紹介されているので失敗することがまずない。美味しい店からこれはちょっと…というような店まで食べてみることで現地の輪郭が分かる。そこそこなお店はすぐに忘れてしまうが、口に合わないお店はいつまでも覚えている。旅の思い出、という意味でも下層を知る楽しみはある。
参考書籍
③とにかく現地人に話しかけるべし
その土地のことを知る最も良い方法の一つが現地人とコミュニケーションを取ることだと思う。南インドでは観光客が珍しいため、悪意なく向こうから話しかけられることがよくある。(デリーでは悪意を持って話しかけてくる詐欺師紛いが大勢いるらしい。)めんどくさがらずに彼らと話してみると、意外と面白かったりする。ヨーロッパの観光地で向こうから話しかけてきた場合、大体金をせびり取ろうとしている場合がほとんどなので話しかけれても無視する習慣がついていたが、南インドではどうやらそうではないことが旅の終盤でやっと分かった。もっと食堂の店員やリキシャーの運転士にガンガン話しかけるべきだった。
中でも一番後悔しているのは、マドゥライのゲストハウスで、ホスト夫妻の孫の誕生日会に参加しなかったこと。「今日は誕生日会があるから夕食は出せない」と言われたとき、間髪入れず私も一緒にお祝いさせて欲しいと言うべきだった。そうすることで彼らの価値観の一端にもう少し踏み込めたのではないかと思うと、もったいないことをしたなと今でも思う。
「知り合いを頼ってインドに行ったんですか?」
「一人でこわくないですか?」
とよく聞かれた。
当然知り合いなどいない。いや、知り合いがいないから良いんじゃないか。たまには世俗から距離を置くことも必要だ。
インド旅編これにて終了。
ピース。
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