福岡の神出鬼没な間借りカレー店「直行直帰」の店主が
退屈な日々に少しの気付きと香り高い刺激をお届け🌶

【南インド旅1/3】ゴア編~ポークヴィンダルーという虚像~

スパイシーライフ

直行直帰の店主です。

私のプロフィールです。
適宜ご参照ください。


2025年11月23日から11 月30日まで、二年半ぶりにインドを注入してきました。
今回の目的地はムンバイ・ゴア・カンヌールの三都市。

キャセイパシフィックで福岡発香港経由でムンバイにIN

インドに入った当日に国内線でそのままゴアへ。

ムンバイからゴアへは飛行機で約1時間で約500km。

ゴアで二泊し、カンヌールというケララ州の都市へバスと電車で移動。こちらも片道500kmくらい。

その後ムンバイに戻って帰国というスケジュール。
ちなみに航空券は片道9万円ほど。安い。


本当は一ヵ月ぐらいいたいが仕事もあるし、まぁしょうがない。

ということで、まずはゴア。

アンジュナビーチ

ゴアと言えばカレー界隈ではポークヴィンダルーが連想されがちだが欧米人にとっては違う。

ビーチ、酒、音楽、ドラッグ。

https://www.goavilla.co.uk/goa/info/hippies-in-goa.html

1960〜70年代、既存社会への違和感から陸路でインドを目指す「ヒッピートレイル」が一部の欧米の若者の間で流行。1961年までのポルトガル統治の影響で酒や肉に寛容であり、海と自由があったゴアは旅の終着点となり、定住者が増加。こうして精神性・音楽・共同体文化が根付き、ゴアはヒッピーの聖地として知られるようになった。(直行直帰調べ)

実際にビーチ周辺では観光ではなく生活していると思われる欧米人を何人も見た。彼らの時間はとてもゆっくり流れているように見えた。

インド猫の奥にパーティーの気配が妖しく光る

そんな欧米人やインド観光客が集う妖しいイベントがゴアでは多く開催されている。
金曜日や土曜日の夜は特に多いようで、今回は参加出来なかったがヒルトップパーティーという有名なトランスイベントもある。月曜日の夜にアンジュナ周辺のとあるイベントに参加したが、ゴリゴリのトランス系で、いわゆるそういうお誘いも普通にされる。(怖い人たちではないので大丈夫。)私は音楽の嗜好が異なるので、このあたりにはあまりハマらず。

クラブイベントとインドが混ざり合うカオス


そんなアンジュナビーチ訪問のメインの目的はインド料理よりむしろお酒。
何もせず朝からビーチを眺めてビールを飲んで、これ以上の贅沢はない。

ゴアに着いた初日の朝、移動の機内でろくに眠れなかったにも関わらずバドワイザーをキメる。

そしてとにかくゴアはお酒が安い。このバドワイザーは500mlで250ルピー(日本円で450円くらい。)で観光価格だけど車で30-40分程離れた州都パナジでは650mlのキングフィッシャーが160ルピー(約280円)のまさに酒飲み天国。パナジについては詳細後述。

ゴアといっても北ゴアと南ゴアに大別され、欧米人×パーティー×ヒッピーのイメージが強いのは北ゴアのビーチ。ダボリム空港周辺の南ゴアのビーチには今回行けなかったが、北ゴアとは違って静かでまったり系らしい。静かにゆっくりビーチでお酒を飲みたい方は南ゴアの方がいいのかもしれない。

アンジュナでの食事

マサラオムレツ。ゴアでもよく焼きスタイル。インドでは半熟などあり得ない。
チキンカフレアル、ポテトと共に。

アンジュナではTHEインド料理みたいなものはあまり推されておらず、どちらかと言えば欧風スタイル。
少なくともここではポークヴィンダルーにもポークヴィンダルー的なものにもお目にかかれず。
コリアンダーとミントと青唐辛子のペーストでマリネしたチキンレッグをローストしたチキンカフレアルという料理が推されていた。


ドーサなども食べることは出来るが基本観光客向けでローカル感はない。
インドを浴びたい旅行者向けの場所ではなく、特にノースゴアのビーチは箸休め的に訪れるのがいいかもしれない。

牛の集団海水浴

大人になると何もしない旅が最高なので私は満足。

州都パナジ

パナジ教会

ビーチも素晴らしいがインド料理を食べたいのならパナジやマルガオンなどの大きめの都市に行くと良い。
今回は時間の都合上パナジしか行けなかったが、教会などの建築物の数々に1510年から1961年までのポルトガル統治の影響が色濃く表れている。
興味深いのは1945年のインド独立までではなく、1961年まで統治が継続された点。これはポルトガルが「ゴアは植民地ではなく自国の一部」だと主張したことと、当時の冷戦下においてNATO加盟国のポルトガルをあまり刺激したくないという西欧諸国の思惑もあったようだ。
話が横道にそれたが、それだけゴアは街のいたるところにインドらしからぬ風景がある。

パナジの街並み

Kokni Kanteen


パナジでも時間とお腹の都合上あまり数は周れていないが印象的なお店を紹介。

まずはKokni kanteen
フィッシュターリーがとにかく旨かった。

king fishのフライに、サバのココナッツカレー、silver fishにチリとゴアンビネガーが効いたもったりめのグレイビー、Galmo sukka(貝の炒め物)、キャベツの炒め物、kismoor(干しエビの和え物)、TIval(コカムのさっぱり系ドリンク)といった構成。
このターリーのバランスが完璧。酸味、辛味、塩味がほどよく調和しどんどん食が進む。ポイントはゴアンビネガーやコカムといった異なる酸味の使い方にあると思われる。
日本ではあまり耳慣れない魚や料理名が多く、インプットがなかなか大変だ。

マトンシャクティ(ターリーとは別に注文)
エビのガーリックフライ。ビール不可避案件。

12時過ぎには2-3分待ったぐらいで入店できたが、店を出るころには外に大勢の人が待っているような人気店。これは納得。これらの料理群から日本で何か再現できるものがないか画策中。

George restaurant

パナジ教会の目の前にあるジョージレストラン。
ここはターリーではなく一品ずつ料理を注文するスタイル。

まずは当然キングフィッシャー。大瓶で160ルピー(約280円)は安い!
Chonakという白身魚のフライ。ビールによく合う。530ルピー(約920円)
一応ポークヴィンダルーも食べておく。380ルピー(約660円)
ポートワイン150ルピー(約260円)

ゴア滞在を通じて感じたのは魚料理の美味しさ。界隈ではポークヴィンダルーがしきりに推されがちなゴアだが実像は違うように感じられる。

街を歩いてみても推されているのはポークよりもむしろチキンやエビやフィッシュフライ。

ポークヴィンダルーって、一体誰が流行らせたのだろう。
やはりAI全盛の今でも現地でしか確かめられない現実はある。

Joseph Bar

インド料理ではないがこのバーも良かった。

ピンボケが凄くて何も伝わらない。

ここではフェニー酒というゴアの蒸留酒をいただく。焼酎よりも果実味が強くて香りが強い。
マンガロールから来た若者二人組と相席になって、このあと船上カジノに行くと言っていたな。
ゴアはインド亜大陸でも完全に観光地の位置付け。

カンヌールへ

ゴアには二泊して夜行列車でカンヌールに向かう予定だったがそこで第一の事件が起こった。
詳細は次回…。

おススメ書籍

今回も小林さんの本にはお世話になったのでリンク貼っときます。読み物としても面白いです。



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この記事を書いた人

福岡の神出鬼没完全不定期間借りカレー店「直行直帰」の店主
かつてカップラーメンを料理と呼んでいた男が綴る日々のカレー・インド料理研究の記録、間借り出店情報、インドにまつわることを吐き出します。
実態はイエスマンになれない社会不適合なサラリーマン。

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