どーも!直行直帰の店主です!
本を読むのが好きです。
ジャンルのこだわりはあまりありませんが、小説などのフィクションより教養が身につくようなものを好みます。
インドの文化や歴史に関する本もちょくちょく読んでいて今日はその中からまとめて2冊をご紹介
食べ歩くインド 北・東編と南・西編
知られざる一皿を求めて、 インドの奥地まで食べ歩くこと二十年、 全インド料理を網羅して解説した 日本で初めての全インド料理案内書。 現地食堂の名店も徹底ガイド。 これでインド旅行の食事が一変する!
インドに単なるカレーは存在しない!
アマゾンより引用
著者の小林真樹さんが実際に現地を周り足で稼いだ情報の集大成とも言える本。
合計ページ数は2冊合わせて600ページ超となかなかのボリューム。
そしてこの本、小林真樹氏のインド食文化への造詣が深すぎてマジで手に負えんです。
圧巻の一言。
著者の小林真樹氏について
小林真樹氏と言えばなんと言ってもアジアハンター。
現地直輸入のターリーやカトリ、激シブの調理器具などなど。
国内インド食器通販の2大巨塔です。
直行直帰でもめちゃめちゃ使ってます。
特に緑色のメラニン製プレート…
あれ良いんだよなぁ。
再入荷しないかなぁ…(切実)
旅行用のガイドブックの域を軽く超えてる
まずこの本を「地球の歩き方」のようなガイドブック感覚で見ると確実に面食らってしまいます。
小林氏のインド亜大陸食文化に対する造詣の深さは日本人で一番じゃないのだろうかと思える程です。
例えば南インドの章だけでもタミル、ハイデラバード、アーンドラ、ラヤラシーマ、ケーララ・マラバール、オーナムのサッディヤ、…(あと6項もある)と区分けがメチャ細かい。
アクセスが容易な都市圏だけじゃなく、さしたる観光地もないような都市圏から遠く離れた街に特定の食堂目的で行ったりしています。
そしてお店一つ一つの解説も超細かい。
看板もないレストラン、薄暗い店内、激シブの内装、スペシャルミールスを頼むとエアコンの効いた部屋に通される…などなど。
現地の情景がありありと浮かんでくるような描写の数々。
そして実際に小林氏が現地で食べた料理や、そこで働くスタッフの写真も多く掲載されています。
これがまた現地の空気感が伝わってきていいんです。
食文化とインドの歴史は切っても切り離せない
インドの文化は歴史上様々な民族・国家がインド亜大陸に侵入してきた結果、それらが複雑に混ざり合い徐々に形成されたものです。
例えばビリヤニはムガル帝国が侵入したイスラム文化の名残だし、チャイはイギリス人が茶葉栽培を根付かせた結果です。
インド各地の食文化にしても歴史と切り離して語ることは決して出来なくて、なぜそのような食文化が形成されたのか?という部分にもちゃんとスポットライトが当たっています。
小林さんは英語・ヒンディー語どちらもイケるらしく、店主と詳細にコミュニケーションを取っている様子が本からも伺えます。
そうかと思えばアーンドラ料理編であまりに田舎のレストランに行き、英語もヒンディー語も通じないため厨房まで行って食材を指差し「これが食べたい!」の意地のコミュニケーションのくだりも旅好きならばニヤリとするでしょう。
自分が知っていたインド料理は大海の一滴だった
以前南北インド料理について簡単にまとめた記事を書きましたが、内容を大幅に加筆修正する必要がありそうです。
この本を読むと、インドを東西南北のカテゴリで分けることすら大雑把過ぎると思えます。
例えば南インドじゃミールス(米)はお昼にしか食べないと思っていましたが、南部のアーンドラ・プラデーシュ州では米が好きすぎて夜もガッツリ食べるそうです。
あとは北の粉ものと言えばチャパティが真っ先に浮かんでいましたが、北・東編ではパンジャーブ州のクルチャやタンドールロティにガッツリスポットライトが当たっていたりと、当然ながら自分の知らなさぶりを思い知らされました。
インドに行くなら必携アイテム
明日からインドに行けるのなら確実に持っていく2冊ですが、インドでの美味しい店の探し方というのも興味深かったです。
詳しくは本書を見てほしいのですが、小林氏いわく地元の人に美味しいレストランを聞いても良いお店に出会える確率は低いのだそう。
インド人が思う外国人が喜びそうなレストランのイメージと、がっつりインドを味わいたい人が行きたいレストランにギャップがあるからだと言います。
確かにそうだ…。
新婚旅行で行ったイタリアのナポリで地元のおじさんに、
地元の人が行くピザ屋を教えてください!
と頼んだところ、
観光本の1ページ目に載っている店を教えられたことがあり、それを思い出しました。
この本はインドを全身で浴びたい方向けなので、生きた現地の情報が日本語で読めるのは本当に大きいです。
一度ならずとも二度、三度と噛みしめるたびに違った味がするような良書です。
皆さんも是非手にとって見てください!
今日はこの辺で
ではまたっ!
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